9/14に肩の腱板修復術を実施しました。
腱板とは肩を挙げるときになくてはならない、肩関節内部のスジの集合体ですが、そのうちの棘上筋(きょくじょうきん)の完全断裂でした。
治療は全身麻酔で上体を70度起こした状態で実施。まず関節内視鏡で肩関節内部をよく調べ、邪魔になる膜や肉芽(にくげ)を特殊な器具類で取り除いた後、腱板だけでなく、関節軟骨、腱や靭帯、関節唇を精査。肩峰(けんぽう)下の肩の天井部分の骨棘をドリルで削り取ります。この時は、以後の操作を内視鏡だけでやりとげるのは得策ではないと判断。ミニオープン法を実施することにしました。すなわち、皮膚を4センチ切開し肩を展開。断裂した腱板の断端は古い肉芽をびっしりつけており、堅くてもろい材質でした。断端を新鮮化し、スーチャーアンカーという縫合糸付ネジ3本使いながら、腱の断端と骨を結合させました。この時の断裂した棘上筋の腱は切れ端がなんと180度めくれて、棘上筋と肩峰の間にしっかりはさまっていました。だから痛みがひどかったんですね。こんな腱板断裂の状態は結構珍しいんですよ。患者さんは手術後、痛みから解放されることだと期待します。